こんにちは、ぎぬまです。
本日でTVアニメ ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のオリジナルサウンドトラックCD「Sound of TOKIMEKI」が発売されて1周年が経ちました。
劇伴担当である遠藤ナオキさんが作られた音楽はアニガサキの個性豊かなメンバーの心情やお台場という開放的な世界観を見事に表現されており、その全てがギュッと詰まった名盤とも呼べる1枚になっています。
お持ちでない方はぜひサブスクで聴いてみたり、CDをご購入ください。
さて、今回は「Sound of TOKIMEKI」の一曲目に収録されている
【色とりどりの虹(メインテーマ)】
についてお話していこうと思います。
主に物語の中での私なりの解釈になります。お時間よろしければ最後までよろしくお願いします!
・色とりどりの虹とは
物語の話に入る前に、色とりどりの虹とはどんなものか?という前説をさせていただきます。色とりどりの虹は()の副題部分にメインテーマという言葉がついている通り、アニガサキの物語を表す音楽だと私は捉えています。
その言葉通り、使われている楽器の数が多くクラシックのオーケストラの楽曲となっています。
たくさんの音色が混ざりあった音楽は個性豊かな虹ヶ咲そのものを表しているようにも感じ、多様性の中で生きているお台場という街の風景も思い浮かぶような楽曲にも感じます。
そんな色とりどりの虹(メインテーマ)はどんな楽曲なのか記憶にはあまり残っていないかと思います。
それもそのはず、なんと作中で流れた回数は第9話「仲間でライバル」のBパートのわずか1回です。
劇伴は流れた回数は多ければ多いほど思い浮かぶシーンがたくさん増え、どんな音をしているかも頭に思い浮かばれると思います。
(代表的なものを上げると、【トキメキへ!】は作中8回使用されています。)
逆に、1度きりしか流れないということはその瞬間にしか流すことが出来ない理由があるのだと思います。
これから、物語におけるその理由と考えを書いていこうと思います。
・虹が架かり始める瞬間
私の中で色とりどりの虹は
『高咲侑から見た虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』
『スクールアイドルフェスティバルのテーマ』
という2つの意味を持っているものと考えています。
どういうことか、それぞれ紐解いていきます。
先に、『高咲侑から見た虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の方からお話します。
上にも書いた通り、この色とりどりの虹(メインテーマ)が流れた瞬間というのは第9話「仲間でライバル」のBパート、「VIVID WORLD」のパフォーマンスが終わった後です。
この時の侑は果林のステージを見た後、横にいた初めてスクールアイドルを見たお姉さんのことを見て、もう一度ステージを見て、目を輝かせていました。
その行動をした理由について、次回の10話にこの時の想いを同好会のみんなに話します。
「今度の私たちのライブ 虹ヶ咲だけじゃなくてもっと大きなライブにしたい!あのね、この間のDIVER FESほんとすごくって、それってきっと、観客の応援とステージが一つになったから生まれたトキメキがあって、それが会場にあふれてたからじゃないかって!
そんなトキメキを生み出せるような、あの時以上のライブがしたい!」
DIVER FESを見た侑の視点であるこの言葉からスクールアイドルフェスティバルというみんなの夢を叶える場所が作られていったわけです。ここで重要なポイントは"ステージの上のスクールアイドルを見ること"だけではなく、"周りにいる楽しんでいたお客さんのことを見るようになった"という高咲侑のスクールアイドルに対する視点の変わり方です。
高咲侑は1人の「あなた」としての目線で描かれていることが多いので、各話でもスクールアイドルとの1対1のやりとりが多いです。
ステージに立つスクールアイドルを見て胸をトキメかせているという1〜3話での描写が特にわかりやすいと思います。
では、楽しんでいるお客さんのことを見るようになった視点の変わり方はどの話数できっかけが出来たのか?
それは第4話、「サイコーハート」のステージを見てからだと考えられます。
愛さんのステージはアイドルとファンというステージの上と下という関係じゃなく、自分も周りのみんなも全員が楽しむ横並びのみんなが楽しめるステージで宮下愛自身が答えを出した愛さんにしか出来ないものです。
その時の侑はその中の1人としてみんなで楽しむステージを初めて経験し、虹ヶ咲のソロアイドルとしての可能性を言葉として伝えました。
「一人だけど一人ひとりだからこそいろんなことできるかも…」「そんなみんながライブをやったら、何かすっごいことになりそうな気がしてきちゃった!」
この時の経験が周りで楽しむ人を見るきっかけになったのではないかと思います。
そして、そのきっかけとなった時に流れている劇伴が「色とりどりの虹 EDM ver.」です。
EDMってクラシカルな原曲に対して、アップテンポでノリやすいドキドキする心臓の鼓動のように感じます。
もしかしたら、高咲侑の中で今はまだ気づいてない始まりの予感とかトキメキみたいなものを表現をしているのかもしれませんね。
そんなきっかけがあって、また9話へと帰ってきます。
この9話で流れた色とりどりの虹(メインテーマ)もまた高咲侑にとっての始まりの予感を表したものだと考えます。
それは使われた曲の尺についてです。
色とりどりの虹は全部で3分12秒の曲になっていますが、作中で使われた秒数は約40秒と頭の部分しか使われていません。
曲というのは最初から最後までの構成によって成立しており、フル尺はその音自体が伝えたいことの全てを表すものだと考えています。
では、この侑が感じた予感を形にして表したものは何か?
それは
[スクールアイドルフェスティバル]
です。
では、ここからは色とりどりの虹(メインテーマ)が『スクールアイドルフェスティバルのテーマ』であることについて話していきます。
みんなが楽しめるお祭りみたいなライブをやりたいと思い始めたその予感は9話の時点では形の無い、一つの想いとして表されているわけです。
例えるなら、どんな形になるかは分からない色とりどりの虹が架かり始めた瞬間を表している訳ですね。
そして、その想いはスクールアイドルフェスティバルという名前となり形となっていきます。
上記では作中には色とりどりの虹(メインテーマ)は1度きりしか流れていないと言いましたが、他のところで流れています。
それはアニメを追体験したライブであり、同じタイトルでもある
『3rd Live! School Idol Festival ~夢の始まり~』です。
ラブライブ!の幕間アニメではよくアニメ本編とは構成を変えていたり劇伴を変えています。
その幕間アニメにて、色とりどりの虹(メインテーマ)は流れていました。
「夢がここからはじまるよ」が始まる前の幕間で、スクールアイドルフェスティバルのステージを見てるBGMとして流れていました。
高咲侑の目から見たスクールアイドルフェスティバルは思い描いていた形となって実現したのです。
幕間の色とりどりの虹が流れてる最後の部分、高咲侑が「さいっこー!」と言っていることが彼女の瞳に映るスクールアイドルフェスティバルは色とりどりの虹という形で綺麗に架かったという表れのように感じます。
そして、使用された尺は『ほぼフル尺』です。
何故、フル尺で使用されていないのか?
それはやはり、雨によるスクールアイドルフェスティバルの中断。
そして、「終わりじゃない、まだ伝えることがある」という伝えたい想いを込めた、「夢がここからはじまるよ」を含めた全てが【色とりどりの虹】であることを表しているからだと思います。
スクールアイドルフェスティバル=(全てのステージ+雨+夢がここからはじまるよ)=色とりどりの虹
順調に進むだけじゃなく、雨が降ることもメンバーから侑に向けて伝えたいことも含めた全てがスクールアイドルフェスティバルなのです。
だから、「夢がここからはじまるよ」のサビ終わりにステージの後ろには大きな虹が架かったのです。
高咲侑にとってスクールアイドルフェスティバルをやりきることは自分の未来への夢に怖がらないで進んで行くために叶えたいことでした。
最後に架かった虹は侑にとって、スクールアイドルフェスティバルで今の自分の夢を叶えられたことを表して形になったものだと思います。
こうして、高咲侑にとっての色とりどりの虹は架かりました。
・あの虹に向かって
さて、以上が物語における色とりどりの虹の私の中の解釈です。
ちょっと余談になりますが、3rdライブのOPアレンジでは色とりどりの虹のギターアレンジがされていました。
あれは現実世界における私たちの色とりどりの虹が音となったものであり、現実世界のスクールアイドルフェスティバルのテーマであると考えてます。
聴いた時に、「これからスクールアイドルフェスティバルが始まる」と思わせてくれる1曲でしたね。
虹というものは架かっては消えて、また架かるの繰り返しをします。
夢を、願いを叶えたいと思った瞬間にはまた新しい【色とりどりの虹】が架かるのだと思います。
私も1人のあなたとして、これからもメンバーのみんなと共に虹を架けて歩んで行きたいですね。
今回は劇伴音楽の1曲のみをピックアップしましたが、他の楽曲にもそれぞれに物語がある素敵な曲達です。
ぜひ皆さん「Sound of TOKIMEKI」を聴いて、虹ヶ咲の世界を受け取ってください。
では、今回は以上になります。
ご拝読ありがとうございました!